概要
「FreeU」は、Stable Diffusion WebUI Forgeにおける画像生成プロセスの一部を最適化するための拡張機能です。この機能を使用することで、生成された画像の品質を向上させるだけでなく、不要なアーティファクト(画像のノイズや欠陥)を削減することができます。特に、繊細なディテールや高精細な画像を求めるユーザーにとって、この拡張機能は非常に有用です。
前提条件
「FreeU」を使用する前に、以下の前提条件を確認してください。
- Stable Diffusion WebUI Forge: すでにインストールされ、正常に動作していること。WebUIは、
webui-user.bat
をダブルクリックして起動します。 - FreeU拡張機能のインストール: WebUI Forge内で「FreeU」拡張機能がインストールされていること(インストール手順は後述します)。
- 基本的な操作スキル: ファイルのダウンロードやコピー、WebUIの設定ができるスキルが必要です。
手順
WebUIの「txt2img」または「img2img」タブに移動します。FreeUが正常にインストールされている場合、拡張機能の設定オプションが表示されるはずです。「FreeU」オプションを選択し、有効化します。
FreeUには、画像生成の際に使用するいくつかのパラメータがあります。これらのパラメータを調整することで、生成される画像の品質やスタイルを細かくコントロールできます。初心者は、デフォルトの設定で始め、徐々に調整を加えていくのがおすすめです。
b1(Backbone Scaling 1)
このパラメータは、UNetのバックボーン機能に適用されるスケーリングファクターです。バックボーンは主に画像の主要な特徴を捉える役割を果たします。b1の値を高くすると、画像のディテールが強調されますが、逆に不自然な表現になることもあります。
b2(Backbone Scaling 2)
b2はb1と同様にバックボーンに適用されるスケーリングファクターですが、より高周波な特徴に影響を与えます。b1とb2を調整することで、ディテールと全体のバランスを取りやすくなります。
s1(Skip Connection Scaling 1)
Skip Connectionは、UNetの初期層と後期層を直接結ぶもので、高周波の特徴を保持する役割があります。s1はこのスキップ接続のスケーリングファクターで、低めに設定すると、ノイズが減り、画像がより滑らかになります。
s2(Skip Connection Scaling 2)
s2はs1と同様の役割を果たしますが、特に高周波の特徴を制御します。s2の値を低く設定することで、ノイズが少ない滑らかな画像を生成できます。
FreeUを有効にした状態で、通常通りPromptを入力し、画像生成を行います。FreeUの最適化によって、生成された画像の品質が向上し、アーティファクトが少なくなります。
- Stable Diffusion v1.5モデル: b1 = 1.5, b2 = 1.6, s1 = 0.9, s2 = 0.2
- Stable Diffusion v2.1モデル: b1 = 1.4, b2 = 1.6, s1 = 0.9, s2 = 0.2
- SDXLモデル: b1 = 1.3, b2 = 1.4, s1 = 0.9, s2 = 0.2
これらのパラメータは、モデルのバージョンに応じて微調整が必要になる場合がありますが、これらの推奨値を基に調整することで、最適な画像生成結果を得ることができます。
生成された画像を確認し、必要に応じてパラメータを再調整してもう一度生成します。FreeUを使うことで、よりクリアで詳細な画像を得ることが可能です。
比較元
- B1(0~1~2)
- B2(0~1~2)
- S1(0~1~2)
- S2(0~1~2)
FreeU拡張機能は、Stable Diffusion WebUI Forgeにおいて、画像の品質をさらに引き上げるための強力なツールです。初心者でも簡単に導入でき、画像生成のクオリティを手軽に向上させることができるので、ぜひ試してみてください。