はじめに
StableDiffusionは、AIアート生成の分野で非常に人気のあるオープンソースのツールです。そのWeb UIは、ユーザーがインターフェースを介して簡単にAIモデルを操作し、画像を生成できる環境を提供します。このガイドでは、StableDiffusion Web UI Forgeをインストールする手順について詳しく説明します。初心者でもわかりやすいように、ステップバイステップで解説しますので、ぜひ参考にしてください。
Stable Diffusion WebUI Forge版と通常の無印版とでは、いくつかの重要な違いがあります。
1. パフォーマンスと最適化
Stable Diffusion WebUI Forgeは、GPUメモリの効率的な管理により、高解像度の画像生成や大規模バッチ処理が可能です。また、「UNet Patcher」などの最適化機能により、映像生成などの高度なタスクにも対応しやすくなっています (Easy With AI)。Stable Diffusion WebUI(無印)は、基本的な機能を提供するものの、Forgeほどのパフォーマンス最適化や高度なタスク対応はされていません。標準的な環境での使用には十分ですが、Forgeほどの拡張性はありません。
2. 拡張機能と互換性
Stable Diffusion WebUI Forgeには、追加のサンプラーやControlNetなどの拡張機能が最初から導入されていて自分でインストールする必要が無かったり、Forge独自機能によってより広範なカスタマイズが可能です (Easy With AI)。各セクションの「Enable」にチェックを入れて必要な設定を行うだけで使うことができます。Stable Diffusion WebUI(無印)は、Forgeほどの内蔵拡張機能はありません。高度な機能追加には手動インストールが必要です。
3. UIと操作性
Stable Diffusion WebUI Forgeは、無印版と同じUIを基盤としつつ、拡張機能や最適化によってより高度な操作が可能です。大規模なバッチ処理や高解像度生成が頻繁に行われるユーザー向けに設計されています (Rezience Visual Storytelling)。Stable Diffusion WebUI(無印)は、標準的な機能を簡潔に提供し、初めて使用するユーザーにも親しみやすい設計となっています。
前提条件
StableDiffusion Web UI Forgeをインストールする前に、以下の前提条件を満たしていることを確認してください。
- オペレーティングシステム: Windows 10/11, macOS, またはLinux(本記事はWindowsについて説明)
- Python: バージョン3.10.6がインストールされていること
- Git: Gitがインストールされていること
- GPU: NVIDIA GPU(CUDA対応のもの)
- インターネット接続: 必須(モデルデータのダウンロードのため)
これらの要件が満たされていない場合は、まずそれらのインストールや設定を行ってください。
手順
必要なソフトウェアのインストール
- Pythonのインストール
Python公式サイトからPython 3.10.6をインストールしてください。インストール時に「Add Python to PATH」にチェックを入れるのを忘れないようにしてください。また、コマンドプロンプトを起動してpython --version
の結果Python 3.10.6
と表示されていればOKです。
- Gitのインストール
Git公式サイトからGitをダウンロードし、インストールします。インストール後、ターミナルまたはコマンドプロンプトを開き、git –versionコマンドで正しくインストールされたことを確認してください。
Stable Diffusion WebUI Forgeのインストール
今回はForge版を導入します。
今回はCドライブ直下にStableDiffusionフォルダを作成しました。C:\StableDiffusion
にStable Diffusion WebUIをインストールしていきます。
Git Bash起動後、cd C:\StableDiffusion
と入力して指定のフォルダまで移動します。
次にgit clone https://github.com/lllyasviel/stable-diffusion-webui-forge.git
と入力して実行。
次のようなメッセージが出る場合は下記コマンドで実行します。
git clone --depth 1 https://github.com/lllyasviel/stable-diffusion-webui-forge.git
git clone時にdepthオプションを付与すると、履歴を削減して高速クローンが可能です。
Stable Diffusion WebUIの起動
webui-userをダブルクリックして実行します。
初回起動時はこのタイミングで必要なソフトウェアが自動インストールされます。ネットワーク環境がよくない場合は1~2時間ほどかかる場合があります。時間があるときに実行しましょう。
ブラウザが自動的に開き、StableDiffusion Web UI(http://127.0.0.1:7860
)が表示されていれば無事起動できています。これで、インストールが完了し、AIによる画像生成が可能になります。お疲れ様でした。
これで、StableDiffusion Web UIのインストール手順は完了です。次に進むべきは、さまざまなパラメータを調整して、オリジナルのAIアートを生成することです。別の記事も参照してさらに使いこなしていきましょう。